secca inc.

事業者名 secca inc.
フリガナ セッカ
名前 上町 達也
ナマエ フリガナ ウエマチ タツヤ
住所 920-0856 石川県 金沢市昭和町12-6 5F/6F
メールアドレス info@secca.co.jp
TEL
ホームページ等 https://secca.co.jp/
専門分野 ブランディング / プロダクト / 工芸 / 空間(建築、インテリア)
PRコメント 2013年、文化都市石川県金沢市に設立。 seccaでは日本固有の伝統工芸における伝統を敬い学んだ上で、新しい視点と最新の技術を積極的に取り入れながら今求められるカタチへデザインし、ホテルやレストランなどに向けてオーダーメードのプロダクトを制作し手渡している。こうしたseccaが考える現代の工芸を「巧藝(KOGEI)」と定義し、思想や技能を含めた伝統を磨きながら、未来により良い形で繋げていくことを目指している。

代表作: A→UN


2021年

人類は自然が創り出す物に憧れ、嫉み、自らの手でそれらを模倣し、再現する事に躍起になり技術を進歩させてきた。

目の前の情景を切り取るように描く具象絵画が始まりだったのかもしれないその行為は、今ではモルフォ蝶の構造色を再現し、臓器や遺伝子までも造るに至った。さらに個々の人格をも再現しつつある。

木もその対象の一つであり、かつては単調な木目のパターンを平面的にプリントしただけに止まっていたが、今では最先端の3Dテクノロジーで維管束の微細な凹凸までも再現し、本物の木と見分けがつかない程の進化を遂げた。

私たちは木を求め、しかし木では満足せず、人類にとって都合の良い人工の木を創り出し、木の顔つきをした擬木に囲まれた空間で木の癒しを享受している。

人類は技術を操り、創造する術を手に入れ、神に近づき万物を自ら創り出そうとしているようだ。

本作では、擬木を用いた立体を現代における“木彫刻”と捉え、一対の“阿吽(あ・うん)”でこの世の全てを表す「狛犬」を制作することで人類のこうした行為そのものを表現した。

狛犬は太古より守護獣として神や王に使える勇ましい獅子をモチーフとされてきたが、本作では人類の都合で小型化された現代の犬をモチーフとしていることも特徴である。

ピクセルとも見て取れるピースを3軸方向に連結させて出来上がるこの立体は、デジタルデータで実体化された虚像のようでもあり、見る角度によっては擬木の裏面の構造部が顕になり、デジタル世界の不完全さも表している。

また、狛犬を覆うフレームはデジタルデバイスを喩えた立体となっており、前後のミラーに反復して映し出された虚像群は実体のない仮想空間に無数に存在するパラレルワールドを表現した。

多様性を重んじる現代の人々は、自らの居場所を求め信仰する対象までもが多様化し、デジタルの世界にまで及んでいる様を描いた。

複製可能なデジタル技術は唯一無二の世界を創造できるのだろうか。

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